Visual Basic 6.0 準備講座
VB6対応

 

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Visual Basic 6.0とは

 

概要

・Visual Basic 6.0 は現在では販売されていません。入手は困難です。

・Visual Basic 6.0 の概要を説明します。

・Visual Basic 6.0 のエディションの違いについて説明します。

Visual Basic 6.0は現在では販売されていません。

2002年以降、Visual Basic 6.0の後継版として、Visual Basic 2005、Visual Basic 2008などがリリースされています。

 

免責の確認

はじめに確認しておきますが、ここに書かれている内容を信頼して、損害を受けた場合でも私は一切の責任を負いません。ここに書かれていることが事実と全く違う場合でも責任は負いません。実際にVBを買う際には自分でよく確認して、自分の責任で買って下さい。

 

Visual Basic(ビジュアルベーシック)とはMicrosoft社(マイクロソフト社)が開発した、プログラム開発用ソフトの商品名です。特徴は「初心者に優しい」、「すぐプログラムが作れる」、「見た目でプログラムできる」という点にあります。これらの点に置いては、他に類を見ないすばらしいソフトといっても反対する人はいないでしょう。また、以上のような特徴にかかわらず優れたプログラムを開発することができるのでVBを開発ツールとして採用している会社も多々あります。

プログラムに使う言葉はもちろん日本語ではありません。英語でもありません。理想的なのはコンピュータが使っている「機械語」ですが、「機械語」は人間の言葉とは違いが大きいので大変です。そこで、人間の言葉と機械語の中間に位置する「プログラミング言語」が使われるわけです。「プログラミング言語」にもいろいろあって、VBで使用する「プログラミング言語」は BASIC (ベーシック)と呼ばれる物です。

 

1.VBの種類

 

一口にVBと言ってもいろいろな種類があって、種類によってできることとできないことがあります。VBの種類にはまず、バージョンによる違いがあります。現在(200 1年8月12日)の最新バージョンは6.0です。しかし、こった使い方をしない限り4.0や5.0を使っている人でも違いは感じないでしょう。

次にエディション(Edition)による違いがあります。たとえば、同じ6.0のバージョンを使っていても細かく見ると4つのエディションという物があります。それぞれのエディションでは機能と値段が大きく異なります。最上級エディションである「Enterprise Edition」(エンタープライズエディション)は7万円ぐらいしたと思います。とても買える値段ではありませんね。しかし、最下級エディションである「試用版」は雑誌のおまけなどについています。ただ同然です。では、これらエディションによる具体的な違いはどこにあるのでしょうか?主な違いを下の表にまとめてみました。

評価版(試用版) 基本的な機能はすべて使える。 雑誌や本のおまけ
Learning Edition

(ラーニングエディション)

・試用版の全機能が使える。

・コンパイルができる。

20000円弱
Professional Edition

(プロフェッショナルエディション)

・Learning Editionの全機能が使える。

・主にデータベース系の強固な機能。

・その他

50000円くらい
Enterprise Edition

(エンタープライズエディション)

・Professional Editionの全機能が使える。

・データベース系のさらに強固な機能(SQLエディタ、Queryデザイナなど)

・その他

70000円くらい

表について補足しておきます。まず、「評価版(試用版)」は通常はエディションに含めません。そのため、普通VBには3つのエディションがあるといえます。次に「 評価版(試用版)」と「Learning Edition」の違いは、コンパイルできるかできないかだけです。そこでコンパイルという機能について説明しておきます。

コンパイルとは作成したプログラムを「実行ファイル」にする機能のことです。実行ファイルとは拡張子が「exe」のファイルで、ダブルクリックするとプログラムが作動します。ひとたび実行ファイルを作れば、作ったプログラムを他のパソコンに入れたりするのも楽でしょう。また、実行ファイルであれば、VBがインストールされていないコンピュータでも作動します(ただし、制限があります)。コンパイルできないと、自分で作ったプログラムを実行するのにはVBが必要です。(なお、説明を簡単にするために省略しましたが、実はコンパイルによって作成できるファイルは「実行ファイル」だけではありません。)

それから、値段は不正確ですので実際に店で確認してください。ここに書いてある値段は、「たしか、このくらいで売ってたよなぁ」と私がなんとなく思い出しながら書いた物です。

あと、この表で比較しているのはVB本体の機能だけです。普通「VB」を買うと付属品がいろいろついてくるのですが、それらの違いはこの表には書いてません。たとえば、「試用版」には説明書(説明書といってもMSDNというCDのこと)がついてきません!「Learning Edition」には「APIビューワ」がついてないし・・・、他にも便利なツールがついてなかったりします。ただし、このページは「評価版(試用版)」を使っている人、つまり「説明書がない人」にも分かるように作っていくつもりです。

 

2.どれを買うべきか?

 

これだけあると、どれを買ったらいいのか分からなくなってしまします。初心者やこれからプログラムを始めようと思っている方は「試用版」を手に入れることをおすすめします。値段が格段に安いので万一「やっぱりVBは私には向いてないな」と思った場合でもダメージが少なくてすみます。それにコンパイルできない以外は「Learning Edition」と同じなので基本的な機能に不満はないはずです。ただし、説明書代わりのCD「MSDN」がついていない点は痛い。

「コンパイルしたい」「説明書(のかわりであるCD「MSDN」)がほしい」という人はやはり「Learning Edition」を買うべきでしょうが、初心者はこのMSDNにあまり期待しない方がいいでしょう。MSDNはちょっと説明自体が難しいので、初心者、初級者は読んでもよく分かりません。それでもMSDNのあるとなしとでは大きく違います。私はMSDNなしでプログラムするなんて考えられません。(でも、繰り返し言いますが、初心者には難しいかも知れませんよ)。

忘れては行けないのが、「アカデミックパック」と呼ばれる割引です。学生の方や教育関係者は同じ製品でも「アカデミックパック」で買うことにより格安で商品を手に入れることができます。(半額以下になる商品もあります)。学生の人は絶対に「アカデミックパック」を買うことをおすすめします!

さらに、Visual Studio(ビジュアルスタディオ)を買うと言う方法もあります。「Visual Studio」とはマイクロソフト社のプログラミングツールをパックにして売っている商品でこれ一つ買えば、「Visual Basic」はもちろん「Visual C++」、「Visual J++」、 「Visual InterDev」 「Visual SourceSafe」など他のプログラミングツールもたくさんついてきます。その分値段も高くなりますが、これらすべてを別々に買うのに比べると格安です。とはいっても Visual Studioの「Enterprise Edition」(エンタープライズエディション)は20万円もするんですが。

(以下の部分は2000年12月10日の補足です。<さらに2001年8月12日に微修正しました。)

ところで、今買うのなら特別な事情がない限り迷わず 「評価版(試用版)」 か Learning Edition を買いましょう。なぜなら、2002年年明けごろに新しいVBが発売されるからです。新しいVBは今のVBとはかなり変わるので今、高いお金をだしてVBを買うと損です。でも、VBを買いたいと決心した場合は来年まで待てないと思いますので、今買いたい人には機能的に十分完成されている「 評価版(試用版)」をお勧めするわけです。

なお、今のVBで習得してプログラムの知識や経験自体は新しいVBにも十分生かすことができるようなので「新しいVBが発売されるまでは買うのをやめよう」という判断は不当です。VBには「 評価版(試用版)」というすばらしい版があるのですから金銭的な損は発生しません。むしろ、数か月分VBをいじったというためになる経験を買うことになるでしょう。

(2000年12月10日の補足はここまでです。<2001年8月12日微修正も同様)

 

 

3.VBを使って得すること

 

VBは優れたプログラミングツールですが、VBを使って得をすることは他にもあります。たとえば、マイクロソフト社がほこるOffice(オフィス)シリーズ。この中にはもちろん、ワープロソフトのWord(ワード)や、表計算ソフトのExcel(エクセル)など様々な製品が含まれているのですが、それらアプリケーションのほとんどが搭載するVBAを使えるようになります。VBAの使い方はVBとそっくりだからです。このVBAを使うことにより、Word(ワード)やExcel(エクセル)に通常ではできない処理をさせたり、面倒な処理を簡単にやらせたりすることができるのです。私はExcel(エクセル)のVBAでmp3やmidiを演奏させたことがあります。

また、Internet Explore(インターネットエクスプローラ)を使っていれば、VBS(VBスクリプト)を使うこともできます。こちらはインターネット用のプログラミング言語のような物ですが、これもVBににているので、VBを使ったことのある人は改めて基本から勉強しなくても使えてしまえます。

他にも最近ではASPと呼ばれる仕組みでVBを利用することがあります。このようにマイクロソフト社はVisual Basicに単なるプログラミング言語以上の役割を持たせようとしているのです。ですから、VBを使えるようになると言うことはこれらの技術にも自然と精通してくると言うことになります。

 

4.VBの歴史

 

VBの歴史というと、VBが初めて発売されてから現在に至るまでを書かなければ行けないのでしょうが、ここでは、単にバージョンの話をします。

1.0    Windows3.0用の開発ツール。英語版のみ。動作が遅くて、プロが本格的にプログラムするというような物ではなかったらしい。

2.0    簡単ながらデータベース機能も追加され、実行速度も向上。

3.0    日本では発売されなかったが、画期的なプログラミングツールとして注目を集めた。OLEに対応。データベース機能も大幅に強化された。

4.0    私が使った初めてのVB。Windows95用のプログラミングツールとして脚光を浴びた。すでに現在搭載されている基本的な機能のほとんどはこのころまでにでそろった。

5.0    ActiveXを本格的に取り入れた。また、AddressOf関数の導入により今までVBでは実現できなかった様々な機能が利用できるようになった。

6.0    現在(2001年8月12日)での最新バージョン。データベース機能の大幅強化。しかし、それ以外の部分は5.0とあまり違わない気がする。(私があまりこったプログラムをしないせいかも知れない)。

7.0    2002年年明けごろに発売されるという。.NETテクノロジーへの本格対応。Webアプリケーション開発についての新機能などが導入される。さらに特筆すべきはVB自体の言語使用を大幅にパワーアップし真のオブジェクト指向言語を目指すという点。具体的にはなんとVBでクラスの作成、継承などができるようになる!! これは買うしかありません!

↑この7.0に関する情報は2001年ごろに執筆された古いものですが、参考のために残してあります。実際のところVB7.0は「Visual Basic.NET」という名称で2002年に発売されました。